◆ 遺産分割協議書の書き方
遺産分割の合意が相続人間全員で調った場合は遺産分割協議書を作成します。これは作成が義務付けられているものではありませんが、不動産の相続登記や株式・自動車の名義変更、相続税の申告等で必要とされる書面ですから、やはり作成しておくことに越したことはありません。
遺産分割協議書の作成方法には、特に決まった詳細なルールがあるわけではありません。要は誰がどの財産を取得するかがわかればよいのです。但し、押印する印鑑は市区町村役場に届け出ている実印を使用する必要があり、同時に印鑑証明書も取得しておく必要があります。
遺産分割協議書は手書きでも、ワープロやパソコンで作成してもかまいませんし、縦書きでも、横書きでもかまいません。使用する文字や用紙のサイズも特に制限がありません。文書が2枚以上になるときはホチキスで綴じ合わせて、つなぎ目に印鑑を押す(契印)という方法が簡単ですが、枚数が多いときには袋とじにし、製本テープとの境目だけに各人が押印する方法でも差し支えありません。
文字の挿入、削除、訂正方法にも決まりはありませんが、修正液の使用は控えたほうがよいでしょう。下記のように行なえば問題はありません(間接法)。
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文字を挿入するには、「V」などの記号を使って文字を書き加え、そして欄外に「○字加入」と書き押印する。
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文字を削除するには、消した文字がなお読めるように2本線で抹消し、欄外に「○字削除」と書いて押印する。
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文字を訂正するには、2本線で抹消し、その隣の余白に正しい文字を書くとともに、欄外に「○字訂正」あるいは「○字削除、×字加入」と書き、そこに押印する。 |
| なお、遺産分割協議書には印紙を貼る必要もありません。 |
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平成○年○月○日に死亡した被相続人○山○男の遺産について、その共同相続人である○山×子、○山×夫、×川△子の3名は次のとおり遺産分割協議を行った。
1.相続人○山×子は次の遺産を相続する。
(1)○市○町一丁目1番1 宅地 123.45平方メートル
(2)同所同番地1 家屋番号 1番1
居宅 木造瓦葺2階建
1階 67.89平方メートル 2階 56.78平方メートル
(3)同居宅内にある家財一式
(4)○銀行×支店 ○山○男名義の定期預金
口座番号 ○○○○○○ 500万円
2.相続人○山×夫は次の遺産を相続する。
(1)○株式会社の株式 10,000株
3.相続人○川△子は相続すべき遺産はないものとする。
上記のとおり、相続人全員による遺産分割の協議が成立したので、これを証するため、本書面3通を作成し、各1通ずつ所持する。
平成○年×月×日
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○県○市○町○丁目○番○号 |
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相続人 ○山×子
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(印) |
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○県○市○町○丁目○番○号 |
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相続人 ○山×夫
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(印) |
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○県○市○町○丁目○番地○ |
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相続人 ○川△子
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(印) |
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前述のように、遺産分割協議書には実印の押印と印鑑証明書の添付が必要となりますが、相続人が海外に居住している場合は印鑑証明書を取得することはできません。このような場合はサイン証明が実務では利用されています。
サイン証明は、遺産分割協議書を海外の相続人に送付し、受け取った相続人が在外領事館に遺産分割協議書を持参して、領事の面前で署名し、領事に本人が署名したことに相違ない旨を証明してもらう方法です。
なお、特別受益証明書(相続分不存在証明書)でも押印した実印につき印鑑証明書の添付が必要ですが、海外居住者については同様にサイン証明の方法をとります。 |
| 【用語】 |
| 特別受益証明書 |
相続分を超える財産の贈与を受けたため取得する相続分がないことを証明する書面です。不動産の相続登記において、遺産分割や相続放棄によらず共同相続人の1人に財産を取得させるための簡単な方法として実務では用いられています。 |
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